食物繊維とは?

食物繊維とは、食品の中に含まれる成分のうち、人の消化酵素では消化することが不可能な“難消化成分”のことです。食物繊維は便の量を増やすことで便秘の解消に非常に効果が高いと言われており、最近では「ビタミン・たんぱく質・ミネラル・脂質・糖質」の5大栄養素に次ぐ“第6の栄養素”として注目を集めています。さらには、糖尿病や動脈硬化症、大腸がんなどの生活習慣病の予防にも効能があることも知られてきています。

また、食物繊維は果物に含まれているペクチン等の水に溶ける「水溶性食物繊維」と、炭水化物の一種であるセルロースに代表される水に溶けない「不溶性食物繊維」に分類でき、それぞれはたらきや性質が異なります。

このページでは、食物繊維の効能や水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のそれぞれの性質と働き、実際にどのような食物に食物繊維が多く含まれているのかを解説しています。食物繊維を多く含んでいる食べ物を効率的に摂取して、便秘改善に役立てましょう。

食物繊維の効果・効能一覧

食物繊維には多くのメリットがあります。
1. 便の量を増加する効果。
2. 腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活性化して排便を促進。
3. 腸内の善玉菌を増加させ、悪玉菌を減らし、腸内を正常化させる。
4. 糖尿病予防効果。血糖値の上昇を抑制させます。
5. 脂質であるコレステロールの吸収を予防し、体外へ排出させる。コレストロール値を下げる。
6. 動脈硬化を防ぐ作用。
7. 大腸ガンの予防。発ガン物質を排出。

不溶性食物繊維を多く含む食物とその性質

水に溶けにくい性質を持っている不溶性食物繊維。発ガン物質や食品添加物、農薬などの有害物質を吸着して便と共に体外へ排出させる働きがあります。また、水分と一緒に不溶性食物繊維を摂ると、大腸内で食物繊維が数倍にも膨張し、便の量を増やして排便を促進させることができます。

不溶性食物繊維を多く含む食物
・穀類(玄米・はと麦・小麦ふすま・オーツ麦・とうもろこし)
・いも類(さつまいも・サトイモ)
・野菜(ごぼう・にんじん・セロリ・切り干し大根等)
・豆類(納豆・あずき・きな粉・いんげん豆・えんどう豆)
・カニやエビの殻(キチン・キトサン)

水溶性食物繊維の性質・特徴

水溶性食物繊維は、水分を体内へたっぷりと取り込み、その水分を保持する能力が高いのが特徴です。加えて、脂肪や糖質などの栄養素を吸着して小腸での吸収を遅らせて、血糖値の急上昇を抑制させるはたらきを有します。コレステロールを減少できるのもそのためです。

また、昆布・わかめ等の海藻類や山芋などに含まれているムチンなどの“ネバネバ・ヌルヌル”成分が、腸内環境を健やかな状態に整えて、便秘を改善するのに高い効果を発揮すると言われています。

水溶性食物繊維を多く含む食物
・果実(りんご・いちご・プルーン)
・樹皮
・蒟蒻・寒天など(不溶性食物繊維でもある)
・海藻類(昆布・わかめ・ひじき)
・山芋・さつまいも
・紅藻類

食物繊維を過剰摂取しても悪影響はないの?

食物繊維を過剰に摂取しても健康障害はほとんどありません。しかしながら、いくら便秘を治したいからといって、過剰摂取するのも良くありません。食物繊維を摂り過ぎた場合、下記のような症状が出るかもしれませんので気をつけましょう。

過剰摂取した際に起こりうる症状
・下痢気味になる。
・腸の栄養吸収を妨げる。
・脂溶性ビタミン(ビタミンA・E・D・K)やカルシウム・亜鉛・鉄・銅の吸収効率が低下。

食物繊維摂取量の目安

食物繊維の1日あたりの推奨摂取量は、男性は20〜25g、女性は15g〜20gと言われています。毎日の健康的なお通じのためには、エネルギー1000kcalあたり食物繊維10gを目安量として摂取することが、下記表のように食事摂取基準で推奨されているのです。

▼食物繊維摂取量の目安量と目標量
男性 女性
目安量
(g/日)
目標量
(g/日)
目安量
(g/日)
目標量
(g/日)
18〜29(歳) 27 20 21 17
30〜49(歳) 26 20 20 17
50〜69(歳) 24 20 19 18
70以上(歳) 19 17 15 15

しかし、厚生労働省による「国民健康・栄養調査結果」を見ると、現在の日本人の1日平均摂取量は、若い世代を中心とした多くの世代が15gにも満たず、1日に摂るべき食物繊維量が「目安量」よりもずっと少ないのが現状です。

例えば、一般の30〜49歳の男性では1日2650キロカロリーを必要としているので、「目安量」として食物繊維を1日27g摂ることがすすめられています。この世代は最低でも20gを目標に摂取するのが不可欠です。

便意解消だけでなく、生活習慣病のリスクを低下させたりすることもできますので、健康維持のためにも毎日欠かさず食物繊維をとるようにしましょう。